生物と無生物のあいだ【本と私①】
こんにちは! 作業療法士のOがお届けします【本と私】、このシリーズは私の心をわし掴みにした書籍たちの紹介です。きっちりしたレビューは無理なので、ゆるーい内容になりますが、もし興味が湧いたらぜひ読んでいただきたいと思う書籍を選んでおります。 (Amazonへのリンクを使用しておりますが、アフィリエイト等ではありません)。 さて、記念すべき第一回にとりあげるのは‥‥ 生物と無生物のあいだ 福岡伸一 著 講談社現代新書 2007年5月 です!! 間 ではなく “あいだ” と表記されていることにも意味があるところが素晴らしい‥‥。 この本で私が大好きな一文が、おそらくこの本を読んだ多くの人と同じように、 “秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない“ という部分です。 なんたる矛盾!なんたるパワーワードなんだ!と思いませんか? ところが、この本の命題である『生命』について、福岡先生がどのように再定義したのか?を語る上で欠かせない 動的平衡 という仕組みを知ると、非常に合点がいくわけです。それどころか生命が持つ、その仕組の見事さに魅了されてしまうこと間違いなしです。 動的平衡については、私の稚拙な文章で解説しても魅力が伝わらないと思うので、書籍を読みたくなりそうな部分をここでもう少し引用しておきます。 “ 脂肪組織は驚くべき速さで、その中身を入れ替えながら、見かけ上、ためている風をよそおっているのだ。すべての原子は生命体の中を流れ、通り抜けているのである。 よく私たちはしばしば知人と久闊(きゅうかつ)を叙するとき、「お変わりありませんね」などと挨拶を交わすが、半年、あるいは一年ほど会わずにいれば、分子のレベルでは我々はすっかり入れ替わっていて、お変わりありまくりなのである。かつてあなたの一部であった原子や分子はもうすでにあなたの内部には存在しない “ そう、 私を含め多くの人々を悩ませるお腹についたこの脂肪‥、なんと1年もあればすっかり入れ替わっているんです。ずっとついているように見せかけて全部入れ替わっているんです。お腹の肉だけじゃないんです。全身の原子や分子は、かつて食べ物として摂取した原子や分子とすっかり入れ替わっているんです。完全に脱線しますが、入れ替われるんなら脂肪は出ていってくれよーと言いたくなります。 一見矛盾するような事象同士であっても、広い...